名古屋SFシンポジウムに行ってきました。
9月29日 土曜日は椙山女学園大学へ
愛知県に台風24号が近づきつつあり、雨が降ったりやんだりの土曜日。午前中に「ザ・プレデター」を観賞し、ハロウィン限定のふちねこを集めるために、名古屋で一軒しかない「カフェ・ベローチェ」に、お昼を食べに行ったら、10時45分で、まだモーニングの時間だったので、モーニングをいただきました。早起きは三文の得。
シンポジウムは、午後1時からなので楽勝です。
栄から星ヶ丘まで地下鉄に乗って、坂道を登ります。今日はSF見て、SFシンポジウム参加という個人的SFの日です。
女子大に入るというのも、ちょっと気後れする部分もありますが、本日は他のイベントも多くあるようで、社会人の方、男女取り混ぜて来校されていました。男だけでも安心です(我々は夫婦で行きましたが)。
椙山女学園大学は、久しぶりです。21世紀初頭に、お仕事で訪問したことがあります。そんなに懐かしいことはありませんが…
正門抜けると、正面に会場が見えます。
名古屋SFシンポジウムとは
名古屋SFシンポジウムとは、椙山女学園大学国際コミュニケーション学部主催で、2014年からスタートしたイベントです。今年で5回目。
参加費無料のイベントです。主催者がそれなりの費用を負担してくれているのでしょうか。ありがたいことです。
毎年、テーマを決めて、作家や評論家、翻訳家などのSF関係者を招いてるようです。
今年のテーマは、「SFフューチャー&パスト」へ
Xメンではありません。
今年は、2つのパネルで構成。
パネル1は、SF大賞作家 上田早夕里さんの「自作を語る」。
パネル2は、「『2001年宇宙の旅』公開50周年」です。
パネルの時間以外には、別会場で物販も行われていました。
早川書房のSF系出版物は、10%引きで販売。ゲストの上田さんのオンデマンド出版の書籍。名大SF研ブースでは、同人系の書籍も置いてありました。古書も売っていたような気もしますが、詳細は確認せず。
上田さんのデマンド印刷本を1冊、購入しました。電子版もあるようですが、記念のためあえて紙版を選びました。
電子書籍版はこちら
パネル1「自作を語る」《オーシャンクロニクル》から『破滅の王』までへ
パネル1は、上田早夕里さんとレビュアーの渡辺英樹さんの進行による、自作の創作動機、手法、創作時のあれこれを語るです。渡辺さんの質問に答える形で、話は進みます。
このパネルの撮影は禁止なので、写真はありません。まずは、近作、直木賞の候補にもなった「破滅の王」から。SFの手法で歴史小説に挑んだ作品。日中戦争当時の上海を舞台にした小説です。登場人物のモデルであったり、創作の資料にしたネタ本の話とか、作品ができるまでの話は、クリエイターにとっては興味深いものです。
レビュアーの渡辺さん作成の作品リストを基に、話は進みます。今回の話は、上田さんの事務所からデマンド本、電子本として発行される計画があるとのことなので、詳細は語りませんが、本格SFものから、スイーツ小説、妖怪小説など、幅広く活躍する上田さんの作品を手に取ってほしいものです。まずは、デビュー作の「火星ダーク・バラード」からでも。kindle坂が改稿された最新版ですよ。
余談ですが、上田さんは通常の出版社で出せないものは、著書自らの手で出版、電子出版を行っています。最近知人が、アマゾンのKindleで電子本を出版しましたが、本を出版するハードルがとても低い時代になっているのだなと思います。
ホームページだけでなく、その中のコンテンツの一つして、書籍形式のものを置く、またはアマゾンなどの販売サイトで販売していくというのも、ありですね。コスト安いし。
パネル2『2001年 宇宙の旅』公開50周年へ
二つ目のパネルは、翻訳家の中村融さんと映画評論家の添野知生さんをゲストに、レビュアーの片桐翔造さんが司会で、『2001年 宇宙の旅』を語ります。
『2001年 宇宙の旅』、今年で公開50年なんですね。さすがに公開時には見てません。1968年ですが。アポロ月着陸の1年前ですね。私の奥さんは、子どもでしたけど、リアルタイムで見たそうです。母親に連れられて。大きくなって再度『2001年 宇宙の旅』を見るまで、「猿の惑星」を見たんだと思っていたそうな。
50周年を記念して、イベント的なものが企画されているようで、東京では当時のマスターフィルムからプリントして70mm版の映画が上映されます。日本では現在70mmフィルムを上映できるのは、東京の国立映画アーカイブ(旧 東京国立近代美術館フィルムセンター)のみとのことで、こちらで上映です。
4Kデジタルリマスター版の4KウルトラHDバージョンの発売と4K版のIMAX上映もあります。(10月19日から2週間限定)名古屋周辺では、109シネマズ名古屋のIMAXが工事中のため、イオンシネマ大高だけの上映です。
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それから本も出ます。12月19日発売。通常の本よりすこし大判のA5判550ページ。早川書房より。これまで明かされなかった2001年にまつわる物語が、いよいよあかされる内容になるとのこと。
このパネルは、その本のネタを中心に、映画のシーンの意味などを語る内容でした。モノリスとはなにか、2001年の終盤の難解なシーンは何を表現しているのか、HAL9000はなにをモチーフしているのか、といった興味深い内容でした。本読みたい。
パネルの中で、出てきたのが、キューブリックの鬼畜さ。彼自身は悪意はないのだが、完璧を求めるため、スタッフを追い詰め壊していくという… 怖いです。歴史に残る作品を創造できるけど、回りは死屍累々といった感じでしょうか。厳しい。アバターのジェームズ・キャメロンとかアップルのスティーブ・ジョブズとかジブリの高畑 勲とか、似た空気を持っていそうで、怖いです。作品を見るのはいいけど、いっしょに働くのはいやだなあ(働かせてはもらえませんが)。
そんなこんなで、近々始まるIMAX上映に思いをはせて、会場に後にしたのでした。
終了後は、懇親会もあるようで、ゲストの方も参加されていたようです。ゲストの方と気軽に話せる場のようで、貴重な会だと思いました。
たぶん来年も開催されるでしょうから、楽しみに待ちたいものです。(G)